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思想・哲学研究会 誕生前夜

思想・哲学研究会の発足は1冊の本がきっかけでした。

 

難解な本を読む技術 (光文社新書)
高田 明典
光文社
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容易にはわからせてくれない難解な名著=難解本をいかに読み解くかを解説した書籍です。このように書くとなにやら難しそうな本に思えるのですが、実際に本を読んでみると、意外に面白い。例えば、以下のような記述が随所に出てきます。

「第1章の冒頭からいきなり断崖絶壁が立ちはだかるという本も少なくありません。そのとき、あたかも理解を拒絶するような勢いで大きな壁が自分の前に出現したような感覚に陥ります。それに臆してはなりません。そのとき大事なのは、必ず理解できると考えることです。理解できないはずがありません。・・・断崖絶壁は険しければ険しいほど、楽しいものです。そのような状態に直面したときには、読書ノートの該当ページの一番上に赤ペンなどで「難解度特A」と大きく記載しておきましょう。そのような趣味的な行為はさておき、・・・」(前掲書P71)

「(難解本の種類を、論理を厳密に積み上げる「登山型」と、新しい概念や論理が次々と述べられていく「ハイキング型」の2つに分けたうえで)『有限責任会社』・・・などは典型的な「ハイキング型」ではあるものの、その道のりは山あり谷ありで、一歩進むにも苦労するくらいの険しい行程である場合が多い。私たちは、そこに示される不安定な地面を踏みしめながら前に進みつつ、景色を楽しむことを強要される。例えは悪いが、「軍事教練」もしくは「軍事演習」の教官から、「おまえらここから見える景色を堪能しろ!」と命令されているような感覚である。読者としてはもう、息も絶えだえなのにもかかわらず、「景色を見ろ」「景色を楽しめ」「この景色を楽しむためにここまで来たのだ!」と言われ戸惑うことになる。」(前掲書P163)

「『エクリ掘戮砲ける最後の論文「欲望の弁証法」は、ラカンの後期の思想の中でも最も重要なものと位置づけられる。それは、ラカンの思想の集大成であるともいえる。ただし、その難解さはまさに壊滅的でさえある。多くの専門家が解説を試みているが、その解説を読むのさえ一苦労であり、また、解説の内容もかなり食い違っている。」(前掲書P223)

難解で、深遠で、近寄り難い存在であるはずの「難解本」が、半ばギャグ扱いされているこの様に、興味を惹かれないわけにはいかなかったのです。つまり、「難解本」を読むことに対して、「楽しそう」な「わくわくする」学びの予感を感じ取り、難解な思想・哲学と向き合ってみたいと思うようになったのです。

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